マイアミ・ヒート No.3
歴史を振り返る
”Flash”(フラッシュ)のあだ名でファンから親しまれているドウェイン・ウェイド選手は、2018−19シーズンに現役引退を表明しました。
2003年ドラフト5位でマイアミ・ヒートに入ってから現役16年の内14年間をマイアミ・ヒートで過ごしたウェイド選手。
ヒートはウェイドのチームへの貢献を称えて背番号No.3を永久欠番として殿堂入りすることを発表しました。
”L3GACY Celebration"と名付けられたセレモニーは2020年2月21−23の3日間で行われました。
ウェイド選手のユニフォームは22日のヒート対キャバリアーズ戦のハーフタイムにアメリカエラーラインアリーナに高く掲げられ、マイアミ・ヒートのホームに今後ずっと飾られる事になりました。
ウェイド選手(No.3)は、マイアミで5人目になる永久欠番で、クリス・ボッシュ(No.1)、テイム・ハーダウェイ(No.10)、シャキール・オニール(No.32)、アロンゾ・モーニング(No.33)に続きました。
14シーズンをマイアミ・ヒートで戦い3回のNBAチャンピオン。フランチャイズレコードになるフィールド成功数(7,842)、得点(21,556)アシスト(5,310)はこれからもまだまだ破られることはないでしょう。なぜなら得点2位のアロンゾ・モーニング(9,459)に大きく差を開けているからです。
セルティックスやクリッパーズで監督を務めたドッグ・リバース監督はウェイドの事について"彼はいつも過小評価を受けている選手の1人だ”と話していました。
大学時代はマーケット大学をベスト4に導きましたがドラフトでは高い評価を得られず、5位でNBAに入りました。
マイアミ・ヒートに入団後は2006年にチームの優勝の立役者になり、ファイナルMVPを受賞。NBAオールスターには13回選出され、2010年にはオールスターMVPにも選ばれています。2008年のオリンピックでは、アメリカ代表として金メダルも獲得しています。
マイアミ・ヒートの会長は"he has left footprint for others to follow"(彼は今後の選手のために足跡の残してくれました)とコメントを残し、彼の足跡をマイアミのホームに掲げますと宣言してジャージはスタジアムに高く飾られました。
(ジャージが掲げられる瞬間)
Dwyane Wade's Jersey Retirement Ceremony
No.3 ウェイドのキャリア
NBA2連覇 2012,2013
ウェイドのキャリアで最も多くのファンを盛り上げたのは、2012.2013年NBA連覇を達成した時ではないだろうか。
マイアミにレブロン・ジェームズ選手とクリス・ボッシュ選手が加わりビッグ3とよばれ、多くのスター選手がリーグにいた当時にプレーオフで負け知らずの強さを見せていました。
スパーズには、ダンカン、ジノビリ、パーカーが在籍、セルティックスには、ガーネット、ポール・ピアース、ロンド選手がいました。コービー選手が率いるレイカーズやウェストブルックとデュラント選手を有するサンダーなど多くの強敵をなぎ倒し連覇を果たしたヒートは完成されたチームでした。
ウェイド選手とレブロン選手のコンビがファーストブレイクからの得点を量産し、インサイドではボッシュ選手が攻守に活躍していました。
(2012年優勝を獲得した時のプレーオフハイライト)
Dwyane Wade: 2012 Playoffs Highlights
ファイナル初優勝2006+ファイナルMVP
2003年にNBAに入った後、わずか3年でファイナル優勝を果たしMVPを獲得したドウェイン・ウェイド選手。当時、5番目に若い年齢でNBAファイナルMVPを獲得した選手になりました。
シャキール・オニールが加入したヒートは、2006年プレーオフファイナルで、ダーク・ノビツキー選手率いるダラス・マーベリックスと対決。
開始2試合をマーベリックスに奪われてリードを許すも、第3、4、5戦でウェイド選手が42、36、42得点でチームを引っ張り3−2と勝利数で逆転します。
続く第6戦でもウェイドは36得点を記録して、チームはマーベリックスを下し優勝を手にしました。
NBAデビューから3年目のプレーオフファイナルでここまでの得点と結果を残せたのはウェイドだけだと言っても過言ではありません。
多くのスタープレーヤーがNBAでファイナル優勝を果たせず引退する中で、ウェイド選手はデビュー3年目でファイナル優勝を成し遂げます。
(2006ファイナル ウェイドハイライト)
Best of Dwyane Wade EPIC Offense Highlights vs Dallas Mavericks from 2006 Finals!
ウェイド No.3 由来
ウェイドの背番号3番の由来は、強い信仰を持つクリスチィアンであるウェイドがキリスト教の教え『Holy Trinity』(三位一体)から決められたとコメントがあります。
それに加えて、アレン・アイバーソンの存在も関係していると言われています。リーグを代表するシューティングガードであるアイバーソンがNo.3を付けていたために、ウェイド選手もNBAに入った後、3番を付けたと話していました。
アイバーソン選手の背番号は76ersで永久欠番になっていますが、ウェイド選手の背番号もマイアミで殿堂入りしました。
リーグを代表するプレーヤーであった2人の優劣を付けることは難しいですが、ウェイド選手はアイバーソンに憧れて3番を付けていたことは事実です。
アイバーソンと同じ年にNBAに入ったコービーもウェイドにとって大きな存在でした。2008年にオリンピックを優勝して金メダルを獲得したときは同じチームでプレーした仲です。
ウェイド選手の背番号の殿堂入り直前の1月26日にコービーがヘリコプターの事故で亡くなった事にウェイド選手も悲しみと大きなショックを受けていました。彼のセレモニーでのスピーチの最後にもコービー選手への言葉が出ていました。
A #L3GACY that truly inspired an entire generation.
— Miami HEAT (@MiamiHEAT) 2020年2月23日
Thank you, @DwyaneWade ❤️ pic.twitter.com/PF4sFScpBp
Kobe said most the important thing is to try to inspire others, so they can be grate at whatever they choose to do. I hope I've insipred all of you. Thank you for making me a part of your legacy. Please know you are huge part of mine. God bless you all Heat Nation.
(コービーは一番大切な事は他の人を鼓舞する事、それによってその人達が自分の選んだ道で良くなれる事。私があなた達を鼓舞できた事を願っています。みんなの伝説のかけらの一部に入れてくれてありがとう。あなた達は私の中の大きな一部であると知って欲しい。神の御加護をマイアミ・ヒートに)
マイアミ・ヒートの一員であった事と、フランチャイズの永久欠番になれた事に大きな敬意を評したウェイドのスピーチには会場から大きな歓声と拍手が巻き起こっていました。
ウェイド選手のジャージは今後もずっとマイアミのホームコート、アメリカンエアーラインアリーナに飾られる事になります。彼のチームへの貢献とNBAでの活躍もずっと語られるでしょう。最後にウェイド選手の現役ハイライトをまとめた動画を見つけたので時間がある時にお楽しみください。
Dwyane Wade Career Highlights Compilation - One Last Dance