メンフィス・グリズリーズ 2019−2020シーズン
NBA 2019−2020シーズンは例年に増して盛り上がりを見せています。多くのチームが大型のトレードをオフシーズンで成功させ、戦力が非常に拮抗したシーズンと言えます。
前年優勝したラプターズはエース カワイ・レナード選手とシューターのダニー・グリーン選手を放出し戦力がダウン、ロサンゼルス・レイカーズはインサイドにアンソニー・デイビス選手とドワイト・ハワード選手を獲得、さらにアウトサイドにはラプターズよりダニー・グリーン選手が加入。ブルックリン ・ネッツはカイリー・アービング選手とケビン・デュラント選手を獲得しかなり攻撃的なDuo(デュオ)をチームに配置しました。
トレードだけではなく、ルカ・ドンチッチ選手、トレイ・ヤング選手、ジャ・モラント選手ら、若手の活躍がさらにリーグを盛り上げています。
近年のNBAは迫力のある試合が多くなっています。10年前では、1試合80点前後で100点を超えればハイスコアゲームをされていたのが最近では120得点越えの試合をよく目にする様になってきました。
これは、戦術の向上と選手のオフェンス能力の上達によるものとされています。ロケッツのハーデン選手は試合平均30得点以上を記録し、各チーム対策に困るほどのオフェンス能力を備えています。オフェンス能力の向上により試合中にスーパープレーが出ることもかなり多くなり、目が離せないゲームが多くなっています。
そんな世界最高峰のバスケットボールリーグに挑戦している日本人選手が3人います。
一人は日本人2人目のNBAプレーヤーとしてメンフィス・グリズリーズから2018年に契約を勝ち取った渡邉雄太選手。もう一人は2019年NBAドラフト1巡目9位指名でワシントン・ウィザースに入団した八村塁選手です。
最後にNBA下部リーグで奮闘している馬場選手、多くの日本人プレーヤーにNBAへの挑戦権をもたらしたのは、渡邉選手と八村選手といっても過言ではありません。
ワシントン・ウィザーズ 2019 ロスター - Why not Ball
(八村選手所属、ワシントン・ウィザーズ ロスター)
今回は渡邉選手所属のメンフィス・グリズリーズに注目したいと思います。
グリズリーズ ロスター
★◎ジァ・モラント (G)
★◎ジャレン・ジャクソンJr. (FーC)
★ヨナス・バランチュナス (C)
★ディロン・ブルックス (GーF)
ジャスティス・ウィンズロー(F) 2月6日トレードイン
グレイソン・アレン (G)
カイル・アンダーソン (FーG)
ブルーノ・カボクロ (F)
ジョーダン・ベル(F) トレードイン
タイアス・ジョーンズ (G)
ディアンソニー・メルトン (G)
渡邉 雄太 (GーF)
ブランドン・クラーク (FーG)
マルコ・グドリック (G)
ジョン・コンチャー (G)
★ジェイ・クラウダー (F) トレードアウト
ソロモン・ヒル(F) トレードアウト
アンドレ・イグダーラ(GーF) トレードアウト
ジョシュ・ジャクソン(GーF) トレードアウト
(★スターター、◎注目選手、2019/11月現在)
渡邉選手は第9節で怪我したブランドン・クラーク選手に変わってGリーグ(NBA下部リーグ)より追加招集され、第9節マーベリックス戦では2分出場し4得点を挙げコーチ陣にアピールしていました。
第10節 サンアントニオ・スパーズ戦
スパーズとグリズリーズ戦は静かに始まり、両者様子見といった感じの試合展開でした。スパーズは名将ポポビッチ監督が率いる中で要所で得点をしっかり決め、パスでしっかりゲームを作ってルディー・ゲイ選手の得点とオルドリッジ選手のインサイドでのディフェンスを引きつける動きが効果的に機能していました。
一方グリズリーズはアウトサイド陣がうまくコートをかき乱し、ファーストブレイクやディフェンスを崩してからのミドルシュートで得点を重ねてハーフを終えて57ー54グリズリーズ リードで折り返します。
後半はスパーズのオフェンスがうまく噛み合わず、ファールでグリズリーズにチャンスを与えるシーンが目立ち少しずつグリズリーズが点差を引き離し3Qを終える頃には91ー80とグリズリーズが11点リードして最終クォーターに入ります。
第4Qに入るとスパーズの連続3Pが決まり4分経過した時点で同点に追いつき試合はシーソーゲームに突入。ジャレン・ジャクソンJr.選手のリバウンドと得点でグリズリーズが4点差でリードして残り1分に突入します。最後はスパーズのエース デマー・デローザン選手のレイアップをグリズリーズがブロックし逃げ切りました。
113−109でグリズリーズの勝利!
渡邉選手の出場はなかったですが接戦で見応えのある試合でした。
San Antonio Spurs vs Memphis Grizzlies Full Game Highlights | Nov 11, 2019 | FreeDawkins
[補足]
この試合では、最後の第4Q残り2分に両チーム監督がコーチチャレンジを要求し判定をひっくり返しました。コーチチャレンジは2019−20シーズンから導入された新しいシステムで、試合中両チーム1回ずつ監督がタイムアウトを使い審判の判定にチャレンジを行い、スーパースローのビデオ確認と再判定を要求できます。
開幕直後は、試合開始すぐにチャレンジを使用したり3Qの途中で相手チームの流れを止めるのに使ったりと監督によってタイミングが違いましたがこの頃は終盤まで取っておくとこが多く感じられます。
判定が覆るかどうかはその時次第ですが、限られたタイムアウトを使うのと試合中に1度しか使えないので監督がチャレンジを公使するタイミングにも注目して観戦するとさらにNBA観戦が楽しくなります。
リーディング スタッツ
得点
ジャレン・ジャクソンJr. 24
ラマーカス・オルドリッジ 19
リバウンド
ヨナス・バランチュナス 12
ルディ・ゲイ 8
アシスト
タイアス・ジョーンズ 6
デマー・デローザン 7
注目選手 ジァ・モラント
注目選手でPICK UPしたジャ・モラント選手にスポットライト。
モラント選手は2019年NBAドラフト1巡目2位でメンフィス・グリズリーズに指名されNBA入りした期待の新人です。2019年のドラフト1位は高校時代からその実力を注目されていた大型フォワード ザイオン・ウィリアムソン選手。彼がいなければもっとモラント選手には、もっと注目が集まっていたと思われます。
ザイオン・ウィリアムソン NBA超大型新人の全貌 2019ドラフト1位 - Why not Ball
(ザイオン選手について書いた記事です)
NBA開幕後、モラント選手はグリズリーズのPG(ポイントガード)を務めたマイク・コンリー選手が放出されたこともあり、スタメンでNBAデビュー!
一方ザイオン選手は開幕前に右膝の半月板を損傷し6−8週間の欠場を余儀なくされます。
ザイオン選手が欠場している間にモラント選手はNBAで大暴れします。
NBAデビュー早々、リーグ屈指のPGカイリー・アービング選手有するブルックリン ・ネッツと対戦しましたが、この試合でモラント選手とアービング選手が真っ向勝負になります。
モラント選手は、第4Q残り7秒で同点に追いつくレイアップ決め、さらにその後にアービング選手のウィニングシュートをブロックしてオーバータイムに持ち込みます。
Brooklyn Nets Vs. Memphis Grizzles- Full game Highlights - Oct. 27 2019-20
オーバータイムではモラント選手が得点を取ればアービング選手が応戦する展開でルーキーながら好調なモラント選手がアービング選手と互角に攻め合っていました。
試合はクラウダー選手の逆転3Pでグリズリーズが勝利しましたが、この3Pを引き出したのもモラント選手のアシストです。
若干20歳のモラント選手は、サウスカロライナ州出身で大学はケンタッキー州のマレー大学に2年生まで所属してプレーしました。その後アーリーエントリーにてNBAメンフィス・グリズリーズに入団しています。
身長は191cmとNBAでは決して大きくはないですが、ボディーバランスの良さ、1on1の強さ、さらに勝負どころの強さはルーキーにはないものを持っています。
このままグリズリーズのスターターとして経験を重ねていけばかなり相手ディフェンスを困らせる選手になっていくはずです。
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